「スペインレポート」 by 渡邊 崇仁
第4回
期待外れのスペイン代表(W杯観戦記)
FIFAのホームページから申し込んだW杯ベスト16のチケットが運良く当たった。しかも、予想に反してフランスがグループ2位通過になったため、スペイン代表対フランス代表という好カードを見ることとなった。
会場はハノーバー。試合は6月27日の21時からだったため、バルセロナを試合当日の朝に飛び立ち、ハンブルク空港へ。そこから、列車で約1時間半をかけハノーバーへ向かった。
昼過ぎにハノーバー駅に着くと、すでに両チームのサポーターがたくさんいた。特にスペイン代表のユニフォームを着た人たちが圧倒的に多く、片手にビールを持ち、大騒ぎをしていた。
試合当日は、試合のチケットを見せると、市の交通機関が全て無料で利用できた。地下鉄とバスを使い、あらかじめ申し込んでおいたホテルへ。少し休んでから試合1時間半前に会場へ向かった。目に付いたのは、至る所で大騒ぎしているスペイン人。ドイツに居ながらスペインに戻ったような感じがしてちょっと落ち着いた。
この日のスペイン代表メンバーは、ラウル(R・マドリー)とセスク(アーセナル)をマルコス・セナ(ビジャレアル)、ルイス・ガルシア(リバプール)に代え、一次予選から少し布陣を変えていた。序盤からスペイン代表は、得意のボール回しで、相手をかく乱しようと試みる。
ビージャ(バレンシア)のPKで先制点を入れたスペイン代表だったが、フランス代表が中盤をしっかり固め、ボール回しは許すも最後の所をきっちり守り、カウンターで効果的に3点を入れ、フランス代表がベスト8へ駒を進めた。
又も、国際大会で結果を出せないスペイン代表の‘癖’が出てしまった。ユーロ2000でもフランス代表に敗れているスペイン代表。スタジアムで観戦して感じた事は、細かい技術は秀でているものの、点を効果的に取れるFW陣の不足は解消されていない。やはりベスト8辺りが限界のチームなのだろうか?
スペイン代表の試合をスペインでは全試合、マラドーナの解説で生中継していた。一次予選では、スペイン代表の出来をブラジル代表、アルゼンチン代表以上に評価していたマラドーナ。「ロングボールを避け、スペイン代表の持ち味である早いボール回しを繰り返し、我慢してそれを続ければ必ずスペインは上まで行ける」と、言っていた。フランス代表の試合後のコメントも聞きたかった。
一次予選の戦いがスムーズだったスペイン代表。スペイン地元メディアも大きな期待を寄せて情報を提供していた。FCバルセロナが唯一であるカタルーニャ系のスポーツ新聞も大きく代表の話題を取り上げていた。私の友人も最初は、「代表には興味が無い」と、言っていたが、何日か後には、「プジョールとかチャビ(ともにバルサ)が活躍しているから興味がわいてきた」と、言っていた。
これで、スペインのW杯は終わり、R・マドリーの会長選挙(2日に新会長が決定)や、移籍選手の話題でこれからは動きがたくさんありそうだ。スペイン代表のアラゴネス監督は、契約を延長し、2008年のユーロ大会まで代表を指揮することになった。
試合の2日後にハンブルク市内を少し観光したが、2人のオーストラリア人に声をかけられた。メルボルン出身のその二人は、私が日本人だというと日本代表に勝った話に触れてきた。栄FC先輩、「シドニーで活躍している石田博行を知っているか?」と、聞くと2人とも「知っている」との事だった。ドイツ、ハンブルクで会ったオーストラリア人。まさかその人たちと、石田選手の話題になるとは思っても無かったので、とても嬉しかった。
著者の紹介:
渡邊 崇仁